✿にこにこ日記✿

気の向くままに色々な記事を書く、20歳女性のブログです。

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ/著

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ/著

 

2021年本屋大賞受賞作。

ずっと読みたくて、やっと読めました!良かった!^-^

 

最初の方は、田舎特有の感じが強く出ていて なんだか面白かった。だけど、途中から虐待を受けている子が登場して、なんとか助けたいという主人公が動き出す場面から、物語に引きずり込まれていきました。虐待ってやっぱりいけない。ひどいな、と思いました。虐待を受ける方は、どれほど辛い日々を送ることか。どれだけ哀しい思いをすることか。虐待を受ける身の立場の心情が痛いほどよく分かります。

 

印象に残った言葉。

だからあの子は叱られたことも、思い通りにいかずに悔しい思いをしたこともなかった。でもそれは可哀想なことよ。

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ/著 p223

ーこれは、父からすごく甘やかされて育った子に対して、思っていた事を話している場面での言葉です。小さい頃、叱られることもなく、ただただかわいがられて育った子。一見良いように見えますが、実は可哀想なこと。大人になってから世間に当たり前にある壁を知る。大きくなってから知るのはしんどいものだそうです。私は、家族からそれなりに厳しく育てられたので、それは愛情があったということなのかなぁと考えました。小さい頃は叱られて、私自信納得できないことも多かったけど、叱られたからこそ、社会性を少しは身につけることができた。愛情をもって育ててくれた家族に感謝です。

 

「先生、昔言ってたじゃないですか。ひとの目を見て話す人間こそ正しいって。あの子たちはちゃんと先生の目を見てるし、先生は今誰の目も見てないっすよ」

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ/著 p227

ーこれは最後の方のシーンの言葉なのですが、なんだかこの言葉にグッときました。確かに、人の目を見て話す人は、正しいことを言っていることが多い。何か自分が間違っていたりする人は、人の目をまっすぐ見て話すことができなくなる。腑に落ちました。

 

2024年3月に映画も公開されるようです!

ぜひ読んでみて下さい!^-^/

 

ーあらすじー

52ヘルツのクジラとはー他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさん仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえの愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。

 

2020年4月25日 初版発行