私の空想物語「最期のときが見える人②」
前回からの続き、私の空想物語「最期のときが見える人」2話です!
※この物語はフィクションです。
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1話はこちら⬇
母の料理は美味しい。
専業主婦で、家事は完璧。
週末は手作りのお菓子を作ってくれたり、平日も時にはハンバーグや唐揚げを作ってくれる。天ぷらを作ってくれるときは、キッチンから天ぷらの良い匂いがしてきて、家族みんな喜んでいる。私はカボチャの天ぷらが好き!
私の家族。
私には4つ年上の兄と下には双子の弟と妹がいる。
兄のユウ兄は現在大学生。大学1年生。
学校に行ったり、バイトに行ったり。
大学は楽しそうでいいなぁ。私も早く高校を卒業したい!
高校生も楽しいんだけどね。
そして妹のリコと弟のソウタ。現在小学校6年生。
今年小学校を卒業するのかぁ。早いなぁ。
2人とも、中学生になったら部活で忙しくなりそうだなぁ。
何部に入るんだろう。
父は仕事で毎日遅くに帰ってくる。忙しそうだ。
この間も出張で5日間 家に居なかった。
父、母、兄、妹、弟、私の6人で一緒に暮らしている。
最期が見えるとき。
最期が見えるのは、頭の中で記憶が蘇るように見える。
目と目が合って話していると、初対面でも一瞬で見えてくる。
ちなみに、自分の最期は見ることができない。だから、私がいつ死ぬのか、どこで亡くなるのか、死に関しては全く分からない。
ユウ兄は、そんなに長生きはしない。
おそらく50・60代で亡くなるだろう。病院ではなく、どこか家の中で眠っている。
周りに家族がいるから、いつか結婚するんだろうな。
そんなユウ兄、海外に留学したいと言っている。
「どこに行くの?」
と聞くと、
「イギリス」
と応えた。
「お土産買ってきてね!」
とお願いしたから、きっと買ってきてくれるだろう。
いいなぁ。海外。
アルバイトでお金を貯めて、行くんだろうな。
家族の死を見るのは、つらい。
最初に見たときは、ショックが隠しきれなかった。
だけど、見えるからこそ、心の準備もできて、そして相手を大切にできる気がする。
ユウ兄が出掛けるようだ。
「行ってきまーす。」
私は応えた。
「いってらっしゃい!」
(続く)